口腔がんは早期に発見できます。
我が国では口腔がんは肺がん、胃がん、乳がんなどに比べ国民皆さんの認知度が低いため「早期発見、早期治療」が徹底されておりません。
咽頭を含めた口腔がんの統計では、年間約23,700人が罹患し(2019年)、8,000人以上が死亡しています(2021年)。罹患数を30年前と比較すると約3倍に増加し、現在でも増加傾向にあって死亡率も高くなっています。
一方欧米では、口腔がんの「早期発見・早期治療」に国を挙げて取り組んだ結果、罹患率は上昇しているものの死亡率を著明に減少させることに成功しています。
口腔がんは、患者さんから「食べる・話をする」など生活の質(QOL)に関わる重要な機能を奪うだけでなく、口腔が顔面の一部を構成していることから、進行した口腔がんは治療後においても大きな審美的障害によって患者さんを精神的に苦しめています。さらに進行した口腔がんは、医療費(患者負担や保険者・国の負担)の増大を招くという側面もあり、超高齢社会に入った我が国において重大な問題となると危惧されています。
口腔がんは他の部位のがんと違い、「直視、直達」できるがんであり、集団検診のみならず歯科診療所で通常の歯科診療時に発見することが可能です。口腔がんによる死亡者を減少させ、口腔がんで苦しむ患者さんを救うために、歯科医師、歯科衛生士など歯科医療関係者が果すべき役割は極めて重要です。具体的には、国民のみなさんへの口腔がんに対する啓発活動、口腔がんの「早期発見・早期治療」のための集団検診、歯科診療所における個別検診システムの確立、検査機関と基幹病院を含めたネットワーク構築、診断・治療に携わるプロフェッショナル(病理医や口腔がん治療医等)の育成、口腔がんに苦しむ患者さんおよび家族へのサポートが挙げられます。
このような活動を通して、口腔がんで苦しむ患者を減少させることが特定非営利活動法人口腔がん早期発見システム全国ネットワークの目的です。
あなたも口腔がんによる死亡者を減少させ、口腔がんで苦しむ患者さんを救うために、特定非営利活動法人口腔がん早期発見システム全国ネットワークに入会して一緒に活動しましょう。
歯科医師、歯科衛生士の方々には今後研修会をご案内します。研修会を修了いたしますと、法人認定歯科医師・歯科衛生士としての認定書を発行し、希望により歯科医院名をホームページ上で公開いたします。